葵という少女は実に奇妙な子供だった
身のこなしは上品でおっとりした令嬢らしいものだったし、
言葉づかいにしても多少舌足らずな所はあったが、足りないという所はなく
反対にませた聡明さすら感じられるものだった。

楽しい話題には微笑みを持ってもれに応え
悲しい話には同情と哀れみを正確に示した。
実に正確に

口元に浮かぶ微笑み、伏せられた瞳、指の動き、吐息のひとつさえ
全てあたかも計算されつくしたかのような反応
そしてそれに加えた子供らしからぬ美貌
幼い子供の持つ危うい美しさ、
それは陶器の持つ完成されたそれと同等
壊れゆくものの儚い美しさ

葵は人形のように完璧すぎた

はじめまして

2010年8月10日

 気まま創作劇場

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